前の記事で書いた「進むはずだったシナリオ」が(進行速度はともかくとして)進んだ末の結末、ということになっています。
…日本語が、崩壊気味になってしまいましたが。アレナの2期、エピローグです。
島が制御を失った。探索は一時中止を余儀なくされ、それに伴って探索者の多くは島を出ることにした。そのような探索者達―共に探索をした仲間も含む―を乗せて近くの大陸に向かう船が遠ざかっていくのを、アレナは、崖の上から見下ろしていた。
嘘を、吐いた。
聞こえてくる「声」はあまりにも近く、そしてだんだんと増えていって、「現実」の音を聞き取るのを徐々に困難にした。今は、「耳」はほとんど死んでしまったような状態だ。
『「声」のために「現実」から遮断されてしまったら、自分はどうなってしまうのだろう?』
そのことが、ずっと怖かった。
だから、まだ「現実」から遮断されきる前に…自分が自分であるうちに、自分自身を、自分の手で終わりにしようと、ずっと思っていた。こういう形とはいえ、このような様を仲間に見せずに済んだのは、自分にとっては幸いだったのかもしれない。
初めて、異性として愛した人からの願いを、こんな形で断ち切ってしまうのは情けなく、申し訳なく思う。けれども、もう「自分」を保つ自信がない。
…「彼」のようになってはいけない。それは、「彼」の悔恨を否定することになってしまう。
心残りは、今、一番愛しく思う、彼のこと。
他者を拒み続け、礼儀と穏やかさを恃みにして人と接し、瞳に温かさを見せることのほとんどなかった…美しい人。
受け入れて欲しかった、という想いは、未だにある。近くで触れたいという想いも、断ち切れてはいない。
…それでも、もう一緒にはいられないから。せめて、人を愛する喜びを、彼がいつか知ることを願う。
…「いつか、幸せに」と。
接近戦に向くとは言えぬ華奢な体ながら励んだ、故郷での訓練の日々で刻まれた、家族の記憶。そして、その戦闘技術を携えて、冒険者として生きてきた人生。
その証立てに、死出の旅路に連れて行こうとした剣を手に持って、アレナは、崖から海の方へ、軽く踏み出した。
既に意識は遠く、身近なものとして恐怖を感じることが出来なくなっていたから…ほとんど、名残惜しさも覚えなくなっていた。
ただ、水面が眼前に迫ってくる中で思い浮かんだ、優しく微笑む瞳が誰のものだったかが思い出せず、それだけが気になった。
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